トレーリングストップ注文は、相場の動きに合わせてストップ価格が自動的に調整される注文方法です。トレンドが続く限り、利益を最大限に伸ばしつつ、リスクを抑える効果的なツールですが、使い方によってはデメリットも存在します。以下では、トレーリングストップ注文のメリットとデメリットを分かりやすく解説します。
トレーリングストップのメリット
- 利益の最大化 トレーリングストップは、相場がトレーダーに有利に動いた場合、その動きに追従してストップ価格が自動で調整されます。例えば、価格が上昇を続ける限り、ストップ価格もそれに合わせて引き上げられ、利益が伸びていきます。従来の「固定値幅で利益確定」とは異なり、相場のトレンドに沿って利益を追求できる点が大きなメリットです。
- 自動調整で手間を削減 一度設定すると、チャートを常にチェックする必要がありません。相場の変動に応じてストップ価格が自動的に調整されるため、トレーダーの時間と労力を大幅に節約できます。
- リスク管理の効率化 利益が出ている状態では、トレーリングストップが自動的にストップ価格を引き上げます。そのため、含み益を確保しつつ、さらなる利益を追い求めることが可能です。これにより、リスク管理を効率よく行うことができます。
トレーリングストップのデメリット
- トレンド相場でのみ効果的 トレーリングストップは、トレンドが発生している相場でこそ効果を発揮します。逆に、トレンドがはっきりしない相場では、頻繁に決済されてしまい、効果的に機能しない場合があります。
- 設定が難しい トレーリングストップの幅(価格の変動幅)の設定には注意が必要です。幅が狭すぎると、一時的な小さな価格変動で早期に決済されてしまうリスクがあります。逆に幅が広すぎると、十分な利益を確保できないことも。
- 急激な相場変動には対応しにくい 急激な相場の変動が起きた際には、トレーリングストップが設定された価格に追いつかないことがあり、結果的に想定以上の損失が発生するリスクがあります。
- システム依存 一部のプラットフォームでは、トレーリングストップ機能がPC上でのみ動作します。これにより、PCやソフトウェアが正常に稼働し続ける必要があり、万が一、システムに問題が発生した場合には、注文が適切に執行されない可能性があります。
まとめ
トレーリングストップ注文は、適切に使用すれば利益を伸ばしながらリスクを抑える効果的なツールです。しかし、相場のトレンド状況やトレーダーの取引スタイルに応じて慎重に設定する必要があります。トレンド相場に強い反面、急激な変動や相場の静かな動きでは思った通りの結果を得られないこともあるため、戦略的な利用が求められます。