はり治療で傷ついた神経は回復するのか

神経に関わる症状には、しびれ、痛み、違和感、感覚の鈍さ、力が入りにくいといったものがあり、日常生活に大きな不安や支障をもたらすことがあります。

こうした症状は、「神経が傷ついているから起こっている」と単純に考えられがちですが、実際には神経そのものの損傷だけでなく、血流の低下、炎症反応、周囲の筋肉や関節の緊張、自律神経の乱れなど、複数の要因が重なって生じているケースが多いとされています。

そのため、神経症状への対応を考える際には、神経だけを見るのではなく、その神経を取り巻く環境全体に目を向けることが重要だと考えられています。

はり治療は、このような背景を踏まえ、身体が本来持っている回復力が発揮されやすい状態を整えることを目的とした施術のひとつです。

神経の「回復」とは何を指すのか

一般的に
「神経は一度傷つくと元に戻らない」
「神経の症状は良くならない」
といったイメージを持たれる方も少なくありません。

しかし、医療や臨床の現場では、必ずしも神経が完全に再生することだけを「回復」と捉えているわけではなく、以下のような変化も含めて回復と考えられています。

  • 神経の周囲を流れる血流が改善する
  • 神経のまわりで起きている炎症反応が落ち着く
  • 過剰に興奮していた神経の働きが穏やかになる
  • 神経伝達がスムーズになり、違和感や不快感が軽減する
  • 脳や自律神経を含む神経系全体の調整が進む

これらの変化によって、
「症状が出にくくなる」
「不快感が軽くなる」
「日常生活が楽に感じられる」
といった状態に近づくことが期待されます。

はり治療は、このような神経を取り巻く環境を整えることを目的として行われる施術です。

はり治療が神経に関与すると考えられている点

これまでの研究報告や臨床経験の中では、はり刺激によって以下のような反応が起こる可能性が示唆されています。

  • 刺激部位およびその周囲の血流が促される
  • 全身の血流循環が整いやすくなる
  • 自律神経のバランスが調整される
  • 筋肉や筋膜など、神経周囲組織の緊張が緩和される
  • 痛みを調整する身体の仕組みに関与する

神経は非常に繊細な組織であり、周囲の環境が悪化すると、圧迫や刺激に弱くなり、痛みやしびれといった症状が出やすくなります。

はり治療は、神経そのものを直接修復・再生させるものではありませんが、神経が過ごしやすい環境を整えることで、結果的に症状が落ち着きやすい状態を目指します。

※はり治療は、神経を直接再生させる治療ではありません。

神経症状と全身の関係について

神経症状は、必ずしも症状が出ている場所だけに原因があるとは限りません。

例えば、首や肩、腰、骨盤といった部位の動きやバランスが崩れることで、神経に負担がかかり、離れた場所にしびれや痛みが現れることもあります。

また、長期間にわたる痛みや不安、睡眠不足、ストレスなどは、自律神経の働きに影響を与え、神経症状を長引かせる要因となることもあります。

そのため、神経症状への対応では、局所だけでなく、身体全体の状態を確認しながら進めることが大切だと考えています。

対応することの多い症状例

当院では、以下のような神経に関連する不調でご相談を受けることがあります。

  • 首や腰の不調に伴うしびれ
  • 坐骨神経に関連すると考えられる症状
  • 慢性的な痛みや違和感が続いている状態
  • 手術後の回復期にみられる身体の不調
  • 原因がはっきりしない神経の違和感

ただし、症状の内容や経過によっては、医療機関での検査や診断を優先していただく場合があります。

必要に応じて、医師の判断を仰ぐことが大切だと考えています。

※効果には個人差があります。
※すべての症状に対して改善を保証するものではありません。
※症状によっては医療機関での検査・診断が必要となる場合があります。

当院の考え方

当院では、「今出ている症状を一時的に抑えること」だけを目的とするのではなく、身体全体のバランスを整え、回復しやすい状態を目指すことを大切にしています。

はり治療は、そのための選択肢のひとつであり、すべての方に同じ結果が得られるものではありません。

お一人おひとりの状態や生活背景を踏まえながら、無理のない形で施術を進めていくことを心がけています。

はりのことや適応症状について分からない事はご相談ください。