
腱鞘炎とばね指(狭窄性腱鞘炎)は、現代人において多くの人が悩まされている筋骨格疾患です。
特に近年は、スマートフォンやパソコンの作業による指の使い過ぎなども原因となり、その数は増加傾向にあります。
現代人はの生活様式の変化によって、パソコンやスマートフォンはなくてはならないツールになりました。しかし、これらの機器を操作するためには、指や手首を断続的に動かす動作が多いため、手首や指への負担が大きく腱鞘炎やばね指を引き起こす原因となることが考えられます。
ここでは、腱鞘炎とばね指についての知識と、その症状を緩和する『マグネシウムクリーム』の有効性についてご紹介します。
腱鞘炎とばね指とは
腱鞘炎とは、手首や指を動かす際に生じる手首や指の疾患です。
主に、手首に異常が生じる『ドケルバン病』と、指に異常が生じる『ばね指』の2つがあります。どちらも使い過ぎ(オーバーユース)による負担が原因です。
主な症状
痛みや腫れ、動かしにくさや引っ掛かりなどです。特に、手首や指の付け根に痛みや熱感、腫れを感じます。
ばね指の場合は、指を曲げ伸ばしする際、『ガクン』と引っ掛かるような感じや、指が跳ねる現象が起こります。
主な原因
以前は、楽器演奏者や、赤ちゃんを抱っこをすることが多い育児中、美容師や理容師、料理人など手首や指を酷使する動作が多い人に起こる疾患として知られていましたが、近年はパソコンやスマートフォンの使用によるい痛がはないかと原因と考えていいます。
それ以外では、妊娠出産に関わるホルモンバランスの変化や、更年期のホルモンの低下によって引き起こされます。
腱鞘炎になる仕組み
腱は、骨にくっついていて関節を動かす際筋肉の伸縮を骨に伝える役割をしています。腱は、腱鞘と呼ばれるトンネルのような道を通ることでスムーズな動きを可能にしています。
しかし、手首や指を使い過ぎによって腱と腱鞘の摩擦が増えたり、筋肉が疲労したり硬くなったり、歳を重ねることによる老化によって、腱が腫れて太くなったり、腱鞘が肥厚(硬く分厚くなる)したりします。そうなると腱鞘を腱がスムーズに通ることが出来なくなるため、痛みや腫れなどの症状を引き起こします。
マグネシウムの働き
マグネシウムは生命維持に欠かせない必須ミネラルの1つです。
体内には300種類以上の酵素があり、マグネシウムはこの酵素の働きを助けタンパク質を合成しエネルギーの生成や代謝を促します。その他、ミネラルバランスの調整、神経筋機能の調整、血圧や血糖値をコントロールするなど重要な役割を果たしています。
しかしマグネシウムは、その重要性にも関わらず現代人の多くが不足しており、しかもその重要性はほとんど知られていません。
マグネシウム不足の影響
マグネシウムが不足することで酵素反応がスムーズに行えなくります。そのため、疲れやすい、イライラする、足がつる、不整脈、高血圧などの症状があらわれる可能性があります。
マグネシウム不足によって生じる可能性がある手指の問題
- 手首や指の筋肉の収縮と弛緩の調整機能の低下
- 痛みを感じる神経が過敏になったり興奮状態になる
- 筋肉が緊張することによる腱への負担増
- 手指を動かすための神経伝達の乱れ
マグネシウムはカルシウムと共に筋肉の収縮と弛緩のバランスを調整する役割をしています。マグネシウムが不足して筋肉の緊張が強くなると、筋肉の中にある腱鞘が押しつぶされ、通り道が狭くなるため、引っ掛かりや痛みを引き起こす可能性があります。
また、マグネシウム不足は疲労回復の妨げにもなります。マグネシウム不足によってエネルギー生産が不足すると、使い過ぎによる腱や腱鞘の疲労をうまく解消させることができなくなります。疲労が解消しないまままた負荷をかけることで患部は炎症し、痛みや腫れなどを引き起こします。
塗って肌から取り込むマグネシウムクリーム
普段食べている食材にもマグネシウムはたくさん含まれています。より多く含まれている食材は、海藻や魚介類、緑の濃い野菜やナッツ未精製穀物などです。マグネシウムが多く含まれている食事を積極的に摂取するのは良い事ですが、マグネシウムは、塩分の高い食事やアルコール、ストレス、薬剤や加齢などの影響により、体外に排出されやすい側面を持っています。
「それならもっとたくさん摂ろう!」と一気にマグネシウムを摂っても体内で処理できない分は体外へ排出されてしまいます。サプリメントなどもあり手軽に摂取することが出来ますが、一気に摂ることは胃腸への負担も大きく、お腹を下す原因になるため注意が必要です。
そこでおすすめなのが、『マグネシウムクリーム』です。マグネシウムを食べてを取り込むのではなく、塗って肌から取り込むのです。
マグネシウムの分子は比較的サイズが小さいため、クリームにして局所的に痛みのあるところに塗布することで直接皮膚から吸収させることができます。また、この経皮投与法は、胃腸に負担をかけることなくダイレクトに患部に栄養を届けることができるというメリットも嬉しいです。
マグネシウムクリームの効果
- 筋肉の緊張を緩和させる
- 血液循環の改善
- リラックス効果
1・筋肉の緊張を緩和させる
マグネシウムとカルシウムは適切なバランス(2:1)を保つことで相互に働き、筋肉の収縮と弛緩を助けます。筋肉の細胞内にカルシウムが入り込むことで筋肉は収縮(硬くなる)し、マグネシウムの働きによって筋肉からカルシウムが排出されると筋肉は弛緩(柔らかくなる)します。そのためマグネシウムが不足すると、筋肉が収縮したまま(硬くなったまま)になるので、腱鞘炎やばね指などのトラブルを引き起こす原因になります。
2・血液循環の改善
血管内にマグネシウムが不足すると筋肉が緊張しやすくなるので腱鞘炎の症状(痛み、腫れ、筋肉の緊張、けいれんなど)を引き起こしやすくなります。マグネシウムを適切に摂ることで、血管の平滑筋に作用し、血管を広げ血液の流をスムーズにします。また、マグネシウムは、血管の炎症や酸化ストレスを軽減し、血管内の細胞を保護する働きを持っています。
3・リラックス効果
マグネシウムには神経の興奮を抑え、神経伝達を正常に保つGABAの生成を助ける働きがあるため、腱鞘炎による痛みや炎症を緩和し緊張した筋肉をリラックスさせる効果があります。また、幸せホルモン『セロトニン』や、睡眠ホルモン『メラトニン』の生成も助けるため、精神の安定や質の高い睡眠の確保にも繋がるため、寝ている間にしっかりと傷ついた細胞を修復することができます。
マグネシウムクリームの使い方
腱鞘炎に対するマグネシウムクリームの最適な使用頻度は 1 日 2 回、朝と夕方の塗布です。特に夕方~夜にかけての塗布は、身体が自然に修復と回復のプロセスに集中する睡眠中にマグネシウムの効果が作用する可能性があるため、腱鞘炎の回復に効果的です。
1 日 2 回の塗布を推奨する理由は、1 日を通して筋肉組織のマグネシウム濃度を比較的一定に保つことで、頻度の少ない塗布よりも治療効果が得られる可能性が高いからです。
マグネシウムクリームは全身どこに塗っていただいても大丈夫ですが、特に痛い場所に直接塗るとさらに効果的です。痛み止めのように、塗ってすぐに効果を感じられるようなものではないので、長期間にわたってコツコツ塗り続けましょう。
感じ方は人それぞれで、1週間程度で効果を感じられる人もいれば、なかなか効果を感じられない人もいます。多くのケースで、2週間程度継続して塗布することで改善に気づいている人が多いようです。
マグネシウムクリーム使用にあたっての注意点
敏感肌の人は、マグネシウムクリームによる皮膚かぶれを起こす可能性があります。標準的なマグネシウム クリームは比較的高濃度、かつ弱酸性であるため刺激が強く、皮膚トラブルを引き起こす可能性があります。皮膚に違和感を感じた方は無理に続けず使用を中止して様子をみるようにしてください。
まとめ
腱鞘炎の症状に対する保存的治療法としてのマグネシウムクリームの使用は、臨床学的にはまだまだ研究途中の分野ですが、その効果は高く、試してみる価値がある治療法の1つです。